陶酔のアートワーク
オブジェと見間違うそのビジュアル・デザインは、この仕事があらゆる制約から解き放たれたものだということを訴えかける。その堂々たる風格が示す300W+300W(8Ω)、600W+600W(4Ω)のパワーはもちろんS3000の大きな魅力に違いないが、ORACLEのフィロソフィーは、インテグレーテッド・アンプという形態に、再生音楽に大きなアドヴァンテージを示す自らの理論を忠実に盛り込むことにある。
それはマグネシウムとアルミニウム合金で製作された剛性豊かなシャシー、無共振デザインのヒートシンク、またトランス、電解コンデンサの電源部を吊り下げ式としたメカニカル・テクノロジーに顕著であり、エレクトロニクスにおいても1MHzまでフラット、2MHzでも-3dBという驚異的な特性を実現したプリ部と、1ステップのローカルNFBに留めたパワー・サーキットを、AC ラインからディアル・モノ構成とされた2つのプリ部、2つのパワー部という贅沢なコンストラクションと最短シグナルパスで、変調歪みを排した正確な位相を達成していることにある。
ビシェイ、デールといった一級品のパーツを投じて隅々まで自らの哲学を投影した美しいオブジェの正体は、身の毛もよだつ陶酔のアートワークだ。 |