CONCENTRO

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90周年を迎えて - さらに力強く
新フラッグシップ、CONCENTRO (コンチェントロ)  登場

ドイツ北部の小さな町キールで創業したELACが90周年を迎えました。
この記念すべきアニバーサリー・イヤーに、ELACはハイエンド・オーディオの市場に一石を投じるべく、新たなフラッグシップ「CONCENTRO (コンチェントロ)」を開発しました。極秘裏に開発されたこのイノベーティブなスピーカーは、2016年にミュンヘンで行われたハイエンド・ショウにて初披露となりました。真っ先にその姿を見ることができた、ごく限られたユーザーやディーラーたちは、こぞって「最高のモデルだ」と賞賛の言葉を口にしたと同時に「発売されれば、ピュアオーディオファンのさらなる注目を集めるスピーカーになるに違いない」との声を寄せたのです。

PROFILE

「CONCENTRO」は、90周年を迎えたELACの挑戦を明確に表現しているモデルです。一目見ただけで、このモデルがハイエンドの覇権を握るという、明確な目的の下に製作されていることがお分りいただけることでしょう。
印象的な楕円形のボディ・シェイプ、1m70cmを超える堂々としたシルエット、華々しさと優雅さを兼ね備えた彫刻を想起させるハイグロス・ラッカー仕上げ。シングル・ブロックのアルミより削り出された25kgのスタンドに設えられた140kgに及ぶ一体成型のスピーカーキャビネット。リスニングポジション内での完全な定位とコンセントレーション、理想的な点音源を追求するべく新開発を行った、New VX-JETをはじめとする高性能ユニットの数々。それら細部を見れば、このモデルの目指す高みが自然と見て取れるはずです。開発を主導した中心人物は、ELACの代表的なモデルである500LINEや400LINEの開発を行ってきた、R &D部門の責任者、ロルフ・ヤンケが担当しました。

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ELAC
Director of R&D
Rolf Janke (ロルフ・ヤンケ)
CONCENTRO 開発担当者

DETAIL

キャビネット設計

「CONCENTRO」に用いられた楕円形のデザインは、現在まで続いたELACの伝統的なキャビネット・デザインをドラマティックに変える出発点です。そのスタートは、いかなるエッジを持たず、3次元のカーブを持ったバッフルで特別なキャビネットを作ることにあり、各ユニット間の周波数共振を一切排除することを狙いとしています。ELACは、剛性が高く、バッフル面での音の反射を極限まで排除したこのキャビネットが、精密なディテールと優れたアコースティック特性、本当の意味での音場の広がりをリスナーに届ける最善の設計であると考えました。
各ユニットが取り付けられている箇所、それぞれのキャビネット内部は、強固なMDF板でブロック分けされ、最適なエアボリュームを確保できるように設計されています。両サイドに搭載された4基のウーファーについても、左右のペアごとに内部空間が区切られており、互いに干渉し合わない設計を採用しています。

本体色(ブラック/ホワイト)とサイドパネル(ウォールナット/レザー/カーボン)の素材の組み合わせは自由に選択できますが、基本となる本体MDF部の塗装はハイグロス・ラッカーの仕上げとなります。サイドのパネルは、上に向かっていくにつれ狭まっていき、「CONCENTRO」のキャビネットを実際よりもスレンダーに見せる陰影を生み出す効果ももたせています。

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New VX-JET

JETとミッドレンジを同軸構造としたVX-JET ユニットの利点は、中域と高域の不必要な分離をなくしたことにあるのみならず、そのユニットの物理的な位置を前後に調整することで、リスニングポジションに起因する直接音と間接音のバランス不和を解消できる点にあります。この同軸ユニットVX-JETも、「CONCENTRO」の開発にあたり進化を遂げています。新たにLLD(Long Linear Driver)をミッドレンジパートにも採用。振動板部分は、外形140mm/内径70mmとしており、500LINEよりさらに大型化を図っています。この新設計のアルミ・パルプ・ハイブリッドクリスタルコーンに、70mmのボイスコイルをアッセンブル。また、JETトゥイータ周りのアルミダイキャスト・バッフルフレームは、設計を新たにした際にラウンドカーブを採用し、放射特性の改善を図りました。VX-JETとミッド・ウーファーのクロスオーバーは360Hzに設定されており、このことは、今まで以上に点音源にて音楽の多くの帯域を受け持つことが可能になったことを意味しています。

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新開発ユニット群

「CONCENTRO」のために開発されたアルミとパルプのハイブリッド・ミッドレンジ・ウーハーとベース・ウーハーは強力な磁力を持つ75mmのボイスコイルを搭載しています。ミッドレンジには高剛性と低歪みを実現するクリスタル・ライン加工を採用。強力なネオジウム・マグネットを花びら状に配置したLLD( Long Linear Drive )テクノロジーを搭載し、ロングストロークかつ高いリニアリティを有するこのユニットは、CONCENTROの目指す広大なレンジ、精度の高い再現性を実現するのに必要不可欠なフィーチャーの一つです。 1本につき4基搭載される新開発の250mmのウーファーは、反応の良さと可動域における剛性の獲得を狙いとし、従来のELACには見られることのなかった浅めのカーブを採用しました。両サイドに設えられ、これら4基のウーファーは、プッシュ-プルのモーションにて左右ペアで駆動され、「CONCENTRO」に前例のないダイナミクスと、最も深いところまで伸びる質の高い低域再生能力を獲得させるに至りました。

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超重量級のベース部

「CONCENTRO」の強靭なキャビネットを支えるベース部は、シングル・ブロックのアルミより削り出された重量25kgの超重量級ベースです。「CONCENTRO」本体が発する振動の影響を全く受けることなく、いかなる音楽ソースに対しても安定した再現を可能にしました。

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For the Next 10 years

長いスピーカー開発の歴史の中で、最高のパフォーマンスの瞬間が訪れる瞬間。ELACが開発してきた多くの素晴らしい技術。その集大成とも言えるスピーカーこそ、この「CONCENTRO」です。この新たなフラッグシップモデルは、次のELAC 100周年へと続く輝かしい道標として、日本のオーディオファンの記憶に残っていくことでしょう。

Specification

型番 CONCENTRO (コンチェントロ)
形式 4ウェイ・バスレフ
ユニット VX-JET×1、220mm AS-XRコーン×1、250mm ASコーン×4
能率 90dB(@2.83V/m)
周波数特性 18Hz-50,000Hz
クロスオーバー周波数 120Hz/360Hz/2700Hz
定格インピーダンス
推奨アンプ インピーダンス 4〜8Ω
入力 400W
最大入力 600W
推奨アンプ入力 80W〜600W
バスレフポート 120mm×350mm(楕円形) ×2
サイズ W460×H1,680×D610 mm
重量 140kg(本体) / 25kg(ベース部) ※本体とベース部は分離不可
仕上げ 本体部:ハイグロス・ブラック/ハイグロス・ウォールナット
サイドパネル:ウォールナット/レザー/カーボン
価格 ¥8,600,000 /PAIR (税別・予価)